治療の方法

最も多く使用している整復方法はその3でご紹介しましたが、ここでは、その他の整復方法について触れてみたいと思います。


コッヘル法

1.患者を仰向けに寝かせ、整復する人は脱臼している側に立ちます。
2.肘関節を90度 屈曲させた状態で牽引します。そして、その状態から60度 程度までゆっくりと外旋していきます。
3.そのままの状態で少しずつ内転させていき肘関節を胸部の前面まで動かしていきます。そして、さらにゆっくりと内旋させていくと整復がされていくことになります。


スティムソン

1.診察台に患者をうつ伏せに寝かせ、診察代の端から脱臼した側の上肢を下ろして、腕を自然にしておきます。
2.脱臼した腕を15分から20分、手関節に2.5から5kgの重錘バンドをつけてそのままにします。
3.肩関節の周囲の筋肉が疲労してきて緊張が解かれた時に整復されます。
この方法は、決して急がず、15分から20分間、自然に整復されるのを待つ必要がる、ということがポイントになります。


ヒポクラテス法

1.患者の手及び手関節を術者はつかみ、患者の脇の下にカウンターをかけるようにして足部を当てます。
2.1の状態で腕をゆっくりと牽引します。
この方法は牽引する時に軽度の内旋・外旋の動作を加えるということで、整復されやすい状態になるといわれています。


上記以外にも肩関節脱臼の整復には多くの方法が存在するそうです。
術者には、知識、テクニックを備え、患者の状態や性別、体格、脱臼の度合いを総合的にその場で判断して頂くことになりますので、信頼のおける整形外科への速い時期の受診をお勧めします。

治療方法の分類についてもう少しくわしく載せてみたいと思います。

脱臼を起こすのは肩に限った事では、ありませんが、人の体で最も動きが大きく、安定性が低いのが、肩です。ですので、最も脱臼の起こりやすい関節ということになります。

骨折を伴っていない肩関節脱臼であることをレントゲン撮影で確認した後、徒手整復術を行うのが一般的です。

病院によっていろいろな整復方法が行われるかと思いますが、代表的な方法として下記の3つの方法が多いようです。

  • 外転挙上整復法
  • コッヘル法
  • スティムソン法

筋力の比較的無い高齢者や、何度も脱臼を繰り返している人には、麻酔をしないでも容易に徒手整復ができることが多いです。

青壮年で筋力のある方や、脱臼後、時間が長時間経っている(数日間等)場合は、痛みと筋肉の緊張を取り除くために、全身麻酔を行ってから、徒手整復をすることがあります。

外転挙上整復法(最も多く第一選択にされている方法)
1.患者を仰向けに寝かせて、整復する術者は患者の脱臼している側に立ちます。
2.患者の脱臼している側の腕を前方挙上位で軽く外転位としていきます。
3.2の状態から完全挙上位または90度 屈曲位になったら、少しずつ外転していき、頭外方に牽引する。
4.ほとんどの場合は、上記1から4の手技にて整復されます。でも、これでも整復がされない場合は術者の拇指で腕の付け根を、肩の受け皿である関節窩に押し込みながら肩を内側へ回旋します。

この挙上整復法のポイントは、上腕に付着する腱板や三角筋、広背筋などの走行がほぼ一方向に牽引されるため、安全に整復できるという点で多く取り入れられています。

治療の方法についてはその1に書き込んでいます。
ここでは、脱臼した時の治療を受けるにあたっての注意をあげてみたいと思います。

スポーツ選手等で脱臼をしてしまった場合、初めての脱臼の対応で選手生命が左右されてしまう場合があります。
なぜなら、一度脱臼をして、整復をしてもらっても、その後スポーツを行い、再脱臼をするようになってしまうと、反復性の脱臼に移行してしまい、少しのことで、脱臼を繰り返すようになってしまうからです。

ですので、肩が外れたら、必ず整形外科に受診し診察、検査をしたあと、整復を行い、3週間以上の固定と筋力強化等のリハビリテーションを専門の療法士に指導を受けるとよいそうです。医師や専門家以外の人に整復をしてもらうのは避けるべきです。

固定期間中は痛みが取れるまでは安静を必要としますが、痛みがとれれば、スポーツ選手等は下半身を使ったトレーニングは医師と相談の上やってもいいそうです。いかに固定をしたまま、下半身を鍛えるかは、そのスポーツのトレーナーの方と相談しながら行うそうです。

注意すべきは、肩が元に戻ると痛みもほとんどなくなり別に固定を外しても痛みもないことです。しかし、ここで自分では何ともないから、ということで勝手に固定を外してしまうのは厳禁です。
病院によっては、1週間位で固定を外しても良いと許可が下りるところもあるようですが、 自分の病院では、固定は、長ければ長いほうがよい、という考えです。
固定をしているのは、内部の損傷を肩を動かすことによって、さらに悪化させないようにするためだから、ということです。

ちなみにこの、固定、長くなれば長くなるほど肩には良いのですが、年齢が高くなると筋肉の収縮がおき、上肢の筋力低下を起こすので、主治医、理学療法士さんの説明を十分に理解する必要があると、思います。
自分は1回目の脱臼の時は、リハビリにはまったく通えなかったため、固定が外れた時は前へならえの状態から45度位までしか、外側に開きませんでした。まったくのロポット状態で長期にわたり、不自由することになりました。

脱臼をもどすことを整復するといいますが、その方法はいろいろとあるようです。
以前は、一気に整復することが多かったようですが、さまざまな危険が伴うためその方法はあまり行われていないようです。
現在は、ゆっくりと、時間をかけて整復することが多いようです。

代表的な方法としては、ベッドの上に患者さんを腹ばいに寝かせて、患者さんの手首に重りを付けてゆっくり引っ張る方法や、あお向けになった患者さんの腕をゆっくりと引っ張りながら、徐々に上に挙げていく方法です。

しかし、下方脱臼に関しては、腕を最大に挙げた位置で上に引っ張るというふうに整復の方法が異なります。

患者さんの状態や治療する医師によっても治療方法はいろいろあるようです。

しかし、上記のような方法では、整復ができない患者さんがあるようで、そのような時は、全身麻酔や手術を必要とすることもあるそうです。
これは、脱臼の状態や悪い場合や、すぐに受診せず、時間が経ってしまった場合は、整復することが難しくなるそうです。

そして、整復した後は、再度X線撮影をし、元の位置に戻っているか、伴っている骨折部分がずれたりしていないか確認するのが一般的です。もしも大きくずれている場合は、これも手術をするそうです。

整復が出来た場合、その後は腕を3週間以上三角巾などで、固定することになります。この固定する腕の位置は脱臼の方向によって、異なるということです。

固定後、腫れが引き痛みが無くってきたら、徐々に肩の動きを回復させる理学療法等を行うことになりますが、脱臼を引き起こす方向の運動に関しては6~8週間は、禁止ということになります。脱臼に伴って損なわれた関節包などが、十分に修復されないうちに動かしてしまうと、その後、容易に脱臼を繰り返す状態となってしまうからです。

容易に脱臼を繰り返す脱臼を反復性肩関節脱臼と呼びます。自分もこれに該当します。これを繰り返すとちょっとしたことで、脱臼するようになり、手術以外には対処法がなくなってしまいます。

注意しないといけないのは、後方脱臼で、医療機関を訪れても最初は約60%も見逃されてしまうそうです。ですので、十分な説明もされずに、痛みが持続する場合は、セカンド・オピニオンを、求めた方が良いそうです。

このように時間が経つと腫れのために整復が難しく手術が必要になるので、できるだけ早い整形外科の受診をお勧めします。
その際の移動時は、自分で最も痛みの少ない位置で腕を自分で支えるのが楽だそうです。

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